パブリック・エネミーズ

みなとみらいワーナーで。公開二日目だっていうのに客があまり入っていない。ハコも小さいし興収が心配になる映画だ…。音がいきなり大きくなったり割れたりしたのは劇場のせいなのだろうか。耳が痛くなった。

ネタバレにつき畳みます。

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ダークナイト・リターンズ

DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト(ケース付) (SHO-PRO BOOKS)

DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト(ケース付) (SHO-PRO BOOKS)

頭のてっぺんから足のつま先まで理想主義者であり続ける人間が、そして理想を実行し続ける人間が、普通の人間(読者も含めて)の目にはいかに狂人としてうつるかが大変よく描かれた作品。現代社会の狂気に真っ向から相対する、年老いたバットマンのそれ以上の狂気。狂気に立ち向かえるのは狂気だけだ。ブルースは狂っている。巷にあふれるダブスタ理想主義者の糞野郎の方がまだ無害だと思えるほどに。

萌え方面では、ひたすらケリーお嬢様がかわいかった。中身が13歳の少女な覆面ヒーローってあんた…整体師並みの的確さでツボついてくるよ。ブルースの忠犬みたいになってるのもまたかわいい。老いたブルースと対比させる形で描かれているせいか、素直だし泣き言も言わないしどんなムチャクチャやらされても恐れもしないし覚えが早くて有能だしで、バットマンいらなくね!?みたいなキャラになっている。ロビンかわいいよロビン。
セリーナの末路は悲惨すぎてコメントする気にもなれない。どうしてこうなった。敵か味方か分からないどっちつかずなところがキャットウーマンの魅力なのだと固く信じていたけど、それを20年も続けたらこうなってしまうのだろうか。女は若くてかわいくないと存在価値がないなあ…。


しかし本当に面白かった。ストーリーやセリフまわしはとことんリアルでありながら、ヒーローたちに向ける子供みたいな憧れをそのままぶつけている。話だけでなく作画もすごい。「ロング・ハロウィーン」を読んだときにもアメコミってこんなすげーのかと思ったものだけど、これはほんと日本の漫画に混ぜても名作中の名作と言っていいと思う。映画の「ダークナイト」を見たとき、アメコミのことなんかよく知らないから「フーン単純で大味なアメコミヒーローをこんな形でリアルに描いちゃうのかー逆に元からのファンは怒らないのかなー」なーんて思ってたけど、本家のアメコミは20年以上も前からこのテイストだったんだね。すみませんでした。
「イヤー・ワン」が「バットマン・ビギンズ」の原作本的存在だったこととといい、フランク・ミラーのリアルテイストな作風は映画向きだな…と思ってウィキ見たらすでに映画制作に関わってたらしい。ぜひとも20年後にはクリスチャン・ベールの主演で(重要)「ダークナイト・リターンズ」を映画化して欲しいなあ。これほどぴったりな役はないと思う。

選挙の次の日

世界中の思慮深き人はみな、民主主義の敵である。なぜなら、思慮深き人々の特質が、首尾一貫した思想にあり、不正を憎むことにあり、改善へのたゆまない努力にあるとすれば、大衆の特質は、無知にあり無秩序にあり優れた者への嫉妬にあるからである。貧困は不名誉な行いに走らせ、教育の欠陥は、俗悪と無作法をはびこらせる。そして、大衆は常に多数なのである。

塩野七生サイレント・マイノリティ (新潮文庫)より引用。古代ギリシア時代のアテナイの名もなき人が書いたらしい。2500年前、ねえ…
日本の大衆の特質にはプラスして「異常なまでの祭り好き」が挙げられる。これも「無秩序」に入るかな。

3時10分、決断のとき

クリスチャン・ベール出演最新(でもないんだけど二年前だから)作、ってんで新宿ピカデリーで見てきた。近いところでは川崎の109でやってたけど夕方からの回だったから見れず、朝イチからやってる新宿に行くしかなかった。今の私の状況で東京まで出張するのはかなり周囲に迷惑かけるから、せめて県内で見たかった。6スクリーンて少なすぎる!
それにしても、私以外の観客がほぼ全員60〜70台のじいちゃんかじいちゃんと一緒に来た奥様だったのは…どういう…。朝早かったせいだと思いたい。私の予想ではクリスチャン・ベールのファンの女子がキャッキャウフフしながら大挙して見に来てるんじゃないかと思ってたのに…。そもそもあの空間には若い女性が一ミリも存在していなかった。
みんな見に行こうぜ!面白いよ!!

感想は以下。ネタバレ。

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ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 [DVD]

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ハーフブラッドプリンスが公開されているので見てみた。何この不親切設計。ハリポタ初体験って人はまったくついてこれない上に面白みを感じなかっただろうと予想できる。見せ場とか話の起伏とか映像のテンポとか、そういう映画に必要なものがそぎ落とされて、原作小説の(豪華な)挿絵みたいになっている。完全に原作読んでる人向け。一見さんお断りです。「不死鳥の騎士団」の後半はイライラしっぱなしで次の巻から読んでないから、次作からついていけるか心配だ…
ダンブルドア役は今からでもイアン・マッケランにオファーした方がいいんじゃないだろうか。空気過ぎる。
色々文句はあるけどエマ・ワトソンのキリっとした美しさですべてを許した。

バットマン・リターンズ

バットマン リターンズ スペシャル・エディション [DVD]

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すごく面白かった!表現のベクトルは違うものの、ダークナイトと同じくらい楽しめた。バットマンキャットウーマンとペンギンの、三者三様の孤独とバケモノ=マイノリティとして生きることの悲しみが、それぞれに絡み合い次々に悲劇を生む。映画違うけどまさに「孤独な魂(ゴースト)の乱交」って感じだった。
ミッシェル・ファイファーのキャットウーマンが美しすぎるのでDVDがほしくなった。

クリスチャン・ベールバットマンしか知らないので他の人のバットマンに自分が耐えられるかどうか疑問だったけど(失礼だ)、実際見てみたらマイケル・キートンバットマン超超超かっこ良かった!!画像で見るより動画の方が断然かっこよく見える。この人バットスーツ似合いすぎ。バットマークがウェイン邸に届くシーンのブルースもかっこよかった。
しかしアメコミの元バットマンに手を出し始めて思ったことは、二次元最強ってことだ。二次元>>(越えられない壁)>>ベール、キートン…くらいな感じ。二次バットマン、マジカッケーっすwてかもう映画も実写じゃなくて二次元でよくね?脚本と演出はノーラン監督のまま、ジム・リーのキャラデザインでアニメをIGに作ってもらえば最強のバットマン映画が出来上がるんじゃね?

太陽の帝国

太陽の帝国 特別版 [DVD]

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ちょっとネタバレ。感想は以下

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