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三冊イッキ読み。どの巻にどのエピソードが入ってたかはちょっと自信ないんですが

三国志〈7の巻〉諸王の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

三国志〈7の巻〉諸王の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

ザ・赤壁、の巻。東南の風に至るまでのじりじりとした描写はすごくよかった。あわただしさと静けさが。つーか周瑜曹操の裏のかきあいと黄蓋の百叩きの刑(苦肉の策)って演義の創作だったのか。ちゃんと正史読まないとなあ。
魯粛のキャラが中途半端で悲しい。

三国志 (8の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫)

三国志 (8の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫)

周瑜死亡。ええいくどいわ!っつーくらい死に至る描写が長くて長くて。出陣前の淡々としたシーンを淡々と描くことによって野望の途上で斃れてしまう彼の死の理不尽さを表現しようとしたのかしらというまえむきな解釈もできるわけですが、うむむ。
あとは龐統の登場と劉備の入蜀。危惧したとおり、ちょっとへのへのもへじキャラ(※造形も描写もわりと適当なキャラのこと。例:徐庶呂布が油彩画なら徐庶へのへのもへじだよ!ちくしょう!)になってる龐統。ひねくれてなくてごく普通の努力人だし世の中ナナメに見てなさそう。いいやつそう。あれっそれって結構いいんじゃ?(自信なくなってきた)
孔明先生の底意地の悪さは著者が何とかして隠そうとしても隠し切れないものであるらしく、さわやかだけど相変わらずいやなやつです。

三国志〈9の巻〉軍市の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

三国志〈9の巻〉軍市の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

逆落とし大活躍。漢中攻防戦と蜀呉同盟破棄、関羽死亡の巻。吉川版のときには大泣きした関羽の死も、もともと関羽張飛に比べて影が薄かったからほとんど心動かされませんですた。きっと著者もそうなんだろうなあと。鶏肋→撤退準備→楊脩斬首のくだりは、楊脩があまりにもかわいそうじゃねーかorz
曹操がそろそろ死にそうで、老いを意識した描写が多くなっているのですが、曹操の人物描写に関しては途中の巻からやけに適当になっているのでいまさらやっても遅いというか浅いというか薄いというか。曹操に限らず全体的に浅くなってきているので、これから登場する人物についてはどう書かれるのかが今から心配。司馬懿へのへのもへじと化す恐れが。まあでもヤツはこれから主役級の活躍するし、何とかしてくれるでしょう。
あと特筆すべきことといえば、馬超がハードボイルド小説に出てきそうなニヒルな二枚目に徹してます。キャラ変わってるー!(゚д゚)