リング下の妖精・晏嬰

晏子(一) (新潮文庫)

晏子(一) (新潮文庫)

晏子(二) (新潮文庫)

晏子(二) (新潮文庫)

晏子(三) (新潮文庫)

晏子(三) (新潮文庫)

晏子(四) (新潮文庫)

晏子(四) (新潮文庫)

…「孟嘗君」と同じ人が書いたとはとても思えな(ry すげー気合い入ってんな…。
現代と違って、「人は見た目が十割」な世界でよく頑張ったよなあと思う。晏弱の方が人気あって、晏弱死後に晏嬰が主人公になったときに読者からブーイング来たとかいう話が解説に載ってたけど、私は個人的には晏嬰の方がよく書けてると思いました。だってヤツの方がまんがのキャラみたいじゃん!(どんな基準だ)まあ実際は大衆人気を狙ってたのかもしれないけど、はた迷惑なくらい頑固。とはいえ、いい奴だとは一ミリも思わないけどな!晏弱はいい人っぽいから、みんなやっぱりいい人が好きなのかしら。
でも多分、著者は崔杼が一番好きなんだと思うのですが。超絶イケメンのナルシストが不器用な老いらくの恋にハマる様子がキモくてたまりませんでしたw色んな意味でリアルさには欠けてるんだけど、ずーっと謀略だらけの腹黒い人生だったのに、最期はホレた女のために復讐を企てた挙句失敗して後追い自殺だなんてアホすぎかわいげがありすぎる。人間として。景公もステキだ。最後のシーンは泣ける。
後半は微妙にエンタメではないので読む人を選びそうだけど、良書。宮城谷作品の中で一番好きだ。…いやでもやっぱ楽毅も捨てがたいなあ。