勘助にもぐんしーしてほしい

泣き虫弱虫 諸葛孔明 第弐部

泣き虫弱虫 諸葛孔明 第弐部

第一部の感想を書き忘れてたことに今気付いた。
あまりにも面白くて電車では読めない。文章量は結構あるような気がするのにあっという間に読み終わってしまいます。腹抱えて笑うこと、十数回。腹筋が断裂しそうだと感じたこと、数回。
この本、内容の充実ぶりに対してタイトルセンスがかなりいまいちなので損している面があると思うのですが、中身はタイトルから想像できるような「千年に一度の大軍師・神算鬼謀(むしろもう字)諸葛孔明の泣き笑い奮闘記(※ちょっといい話系)」などではまったくなく、変人で嫌われ者(という設定)の孔明を主人公にすえた、演義と正史とその派生作品群を含めた全ての「三国志」へのツッコミ小説です。そんなわけで第一部が始まるのは孔明の出櫨前。
この孔明は、柴錬先生がご存命だったら「いやあああ私の孔明様がああああああ!」と叫び匕首を持って文春に殴り込むくらいのことはしそうな感じの超大変人・神算鬼謀先生として書かれているわけですが、個人的にはこんなの別に変でも何でもなくて、ただ変人ぶりたい普通の人じゃんとしか思えないのですが、その代わり劉備は相当に変です。仕方ないのかもしれないけど、この小説、長坂玻の戦い(夏口への逃走)に入る前にはすでに主人公が劉備になってます。大仁田ばりのマイクもおかしすぎて腹筋ちぎれるかとおもたよ!
これを読んだので、奴は現代に生きてたら絶対プロレスラーだと思いました。メジャー団体で誰かの下に収まっていられず、何人かのレスラー(※すごく強い)を従えて離脱して、インディー団体を立ち上げる→あほだからすぐ経営が破綻してメジャーに戻る→けどまた離脱して(ryの繰り返し人生を歩みそうだ。金もない、名声もない、あるのは人気と黒い噂と借金だけ、という。さしずめビンスは曹操だな。
語り始めるときりがないのでこの辺に(広島弁のヤクザな呉の人々とか、王粲をベアハグするフィギュア人材オタの曹操とか、語りたくてしょうがねえ!)。ディープな三国志オタはもちろん、ちょっとだけ知ってる人にも超おすすめです。繰り出す小ネタがオタクくさいのは、ラノベ作家の面目躍如(?)といったところでしょうか。ただしちゃんとした作家だけあって文章も上手いし着眼点はしっかりしてるし知識は膨大だしで、そこら辺のオタクの小ネタとはレベルが違います。超おすすめ(何度でもいうよ!)。第一部の文庫化希望。徐庶がこれまたいいキャラなんだYO!