微妙なラノベっぽさもあり

周公旦

周公旦

周公旦伝というよりは、「礼」っていうのは何なのか、「礼」が中国の国家発展にどれだけ貢献したか、ということを、成王に疑われた周公旦が楚へ走ったいきさつから考察するというわりにまじめな内容。とはいえ、そのまじめな考察も、辣腕内政家かつ太公望も手玉に取る策謀家かつ凄腕シャーマンかつ聖人な周公旦のキャラも、何もかもが中途半端。荊楚地方の呪術風景なんかは面白かったけど、それも描ききってない感じで半端感があり、読後感は微妙でした。もったいない。
無教養ジャンプっ子の私としては、つい最近まで周公旦というと「象を従えて太公望をハリセンで叩く人」というイメージしかなかったのですが、そういやあの漫画でも二人の間には微妙な力関係が生じてたなあと今さらながら思い出しました。少し詳しくなってくると『封神演技』って意外とよく出来た漫画だったことが分かります。ジャンプ馬鹿にできねえ。