神の代理人

神の代理人 (塩野七生ルネサンス著作集)

神の代理人 (塩野七生ルネサンス著作集)

ルネサンス期の法王たちを描いた作品。どうも世界史の授業の印象が強いせいか、中世あたりの法王って強欲で金権政治してて俗に塗れてて神に懺悔するのは貴様らだ、みたいな印象があったのですが、どの法王も人間的で非常に面白かったです。とくにジュリオ二世。やっぱり強欲で俗に塗れてて神に懺悔するのは(ryな法王なんですが、書き方が面白いので一気に好きになりました。やることなすこと外してて、私情・私欲は挟むわ気は短いわ長期的視野?何それ?みたいな感じなのに、運のよさとボルジアに対する怨念となんとしてもフランスを追い出すという執念だけですべてを乗り切った男。めちゃくちゃなのになぜか憎めない。レオーネ十世もステキでした。
この人、大して好きじゃない個人を書くのは上手いかも。