マシニスト

マシニスト [DVD]

マシニスト [DVD]

見よう週間はまだ終わらんよ!ツタヤのディスカス便利だな。
クリスチャン・ベールの激ヤセで有名になった映画。感想はネタバレにつき「続きを読む」からどぞ

続きを読む

バッドタイム

バッドタイム [DVD]

バッドタイム [DVD]

※ネタバレ…してるけど別にいいよね

引き続きクリスチャン・ベールを見よう週間。生活上の都合で音をまったく出せないので、誰がしゃべっているのか分からず、口の動きを確認しながら見ていた。
劇場未公開だとか。観て未公開なの納得した。面白いんだけど、起伏がない。中盤までの職探ししてるフリしてサボって遊んでるシーンが長すぎてダルい。カジテツ王子の映画版か!?
主人公は、戦争の後遺症でものすごく粗暴で凶悪な人間になってしまった男。元々は男友達と中学生的なノリで遊んで悪さしたり、まじめに結婚考えちゃうくらい愛する女性がいたりなど、ごく普通?の人だったのが、アフガンに特殊部隊として派遣されて帰ってきたら、誰が見ても立派な狂人です本当にありがとうございました…という役どころ。
主人公の親友はカワイイ系のイケメンのヒモで、愛人に働けって言われたから頑張って職探しをしている(しかし九割五分はサボって遊んでいる)モラトリアムな青年。主人公同様ワルではあるが、主人公と違って別に殺人とかはしたことはない、普通のロサンゼルスの不良(と書いてガキと読む)。
この二人が盗みをしたり飲酒運転をしたり強盗をしたりヤクの密売をしたりしながら、友情を深めていく…はずが、ラストでは決定的な訣別をすることになる。
クリスチャン・ベールは静かに狂っている人物を演じるのがうまい。普通モードから狂気モードへの移行があまりにスムーズで、やばいんじゃないのこの俳優!?とか思ってしまう。ゴロツキの役もいいなあ…と思ったのは面接のシーン(「君は法の番人より肉を刻む仕事の方が…」とか言われてるところ)までで、面接のシーンはあまりに冷徹な殺し屋的なところ(いや違うんだけどそう見える)がハマりすぎてて、後のシーンの演技がちょっとウソくさく思えてしまう。クリスチャン・ベールの冷たい容貌のせいか、やりなれてる感じだからなのか、それとも私が主にリベリオンを見慣れすぎているせいなのかは分からないけど。でも主人公の心はとっくにぶっ壊れてるから、主人公の普段の様子がウソくさく思えるのは正解なのかも。分からん。
メキシコのどっかの湖で男三人で話しているときに、コロンビアでの任務について話すシーンは、目と喋り方が冷たすぎて、本当にぞっとした。悲しくもあった。

しかしT4の感想と同じだけど、題材はすごく興味深いしやりようによってはもっと面白くなるんじゃないだろうかと思ってしまう。もうちょっと起伏あってもいいなあ。

プレステージ

スマイルBEST プレステージ スタンダード・エディション [DVD]

スマイルBEST プレステージ スタンダード・エディション [DVD]

ってDVD借りたわけじゃなくてたまたまムービープラスでやってたから見ただけなんですけどね。二人のマジシャンが憎み合うお話。これプリスティッジって読むんじゃないだろうか。

※ネタバレ注意

続きを読む

アメリカン・サイコ

アメリカン・サイコ [DVD]

アメリカン・サイコ [DVD]

昔一度見てるんだけども、クリスチャン・ベールを見よう週間(自分で設定)のため借りてきた。ものすごーく面白かったけど子供の教育上よろしくないため家に置いておきたくないので今度はDVD注文しなかった。


※ネタバレ注意


生活上の事情により声を立てられないので、まるで手持ちレアカードを見せ合うデュエリストたちみたいな名刺交換シーンとか、床に新聞紙敷いて家具にシートかけてレインコート着て音楽かけてノリノリで同僚に斧を振り下ろすシーンとか、ビデオ撮影しながら音楽かけてノリノリで自分を鏡に映してマッチョポーズでうっとりするシーンとか、音楽かけてノリノリで全裸でチェーンソー持って女を追いかけるシーンとか、そういった数々の腹筋崩壊シーンで自分の声帯の限界に挑戦してしまいました。これ…ホラー…?クリスチャン・ベールの超絶ノリノリ演技のおかげか、昔これを見た数年後に「リベリオン」を見たとき、プレストンがこの映画の主人公と同じ人だということにまるで気が付かなかった。この人無駄にすごすぎる。

主人公はヤングエグゼクティブで、流行とかブランドとか外面ばっか気にして、他人に名前も覚えてもらえないくらいうわべの付き合いしかできないバブル時代に生きた、何の中身もない男。悪魔のいけにえとか特殊な嗜好のポルノビデオが部屋のテレビに流れてるシーンがあるんだけど、殺しのときにそういう自分の好きなものを忠実に再現するというオリジナリティのない…というか「自分」がない人間。音楽のウンチクを語るシーンでも、それ絶対ライナーノーツをまるまる暗記してさも自分の言葉のように言ってるだけだろ、っていう上滑りした意見ばっかだし、そもそも音楽のセレクトからして何のオリジナリティもない。
ただ主人公は自分の空虚さに気付いていて、そのことにいらだちや焦りを感じられるくらいの自意識の持ち主であり(ナルシストでもあるから)、オリジナリティあふれる「自分」を子供っぽい猟奇殺人によって表現しようとするが、しかしそれは果たされない。周囲の他人への無関心さによって、連続殺人という彼の必死の自己アピールすら無視されてしまう。他人が何を考えていようと、どんな人間であろうと、どんな人生を歩んでいようと、自分には何の関係もないとばかりに、主人公の必死の訴え(殺人告白なんだけどね)を日々の物質主義的な生活の中に埋もれさせ、忘れてしまう周囲の人々。「アメリカン・サイコ」って誰のことだ!?そこでポップコーン食いながらこの映画見てる、お前ら全員だ!!という映画。一番まっとうな人間である秘書は、現代ではスイーツ(笑)とか言われるんだろうなと思いつつ、主人公が彼女を殺さずに帰すシーンはとてもよかった。
…前に見たとき「何だ、結局主人公の妄想オチか」としか思わなかった自分バカバカバカ。冒頭とラストのモノローグはあまりに哀切。

  • -

追記。原作を途中まで読んだ。途中まで読んで秋田。ケルアックみたいな記号小説みたいなノワールみたいな感じの小説。発表当時、この小説の残酷描写とエロシーンに物議をかもしたらしいけどそれらの描写もどこまでいっても記号でしかないので、ラルフローレンとかアルマーニとかそこら辺のブランドが羅列してあるシーンと大差なくて「シリアルキラー気取った(実際シリアルキラーなんだけどなんだか真剣味がないので)中二病患者乙wwwwww」としか思えない。この辺が現代人の病か。あ、でも一応グロ注意。

ダークナイト

ダークナイト 特別版 [DVD]

ダークナイト 特別版 [DVD]

去年公開されたので(私的事情により)完全スルーだったのだが、こないだT4見たのでクリスチャン・ベールが見たくなってレンタルしてしまった。しかし観た後どういうわけだか光の速さで特別版注文してました。えええ!?いやでも半額だったしさ…


※ネタバレ注意


そんなわけで感想。これは娯楽映画じゃない。見てて爽快感や痛快さがまったくない。最初から最後まで苦しい。特に後半は深く潜ったまま一度も息継ぎできずに、すごいスピードで泳ぎ続けてるみたいな感覚だった。普通は見終わった後、頭にいろいろ感想文が浮かび上がってくるものだけど、あまりに凄すぎて言葉がなかった。言葉が浮かぶまで数時間かかった。すごいぜ…
この映画のすごさはひとえに脚本だと思う。もちろん、ヒース・レジャークリスチャン・ベールゲイリー・オールドマンのすごすぎる演技や、カッコイイ映像とかシーンの繋ぎ方とか特殊効果とかCGとかそういうのもすべてすばらしいと思うけど、それらもすべて脚本・物語の力がなければ成り立たないものだと思いたい(一応素人物書きとして)。セリフも文学的でかっこよかった。

この映画は、正義の味方として生まれた夜の住人・バットマンが、いかにして高潔さを持ったまま(ダークサイドに堕ちぬまま)「ダークナイト(闇の騎士)」になっていったのかという物語なのだが、そこに至るまでに守るべき大衆の心の脆さや強さ(この辺デビルマンを思い出します)、ブルース・ウェイン個人としての幸福の行く先が、ジョーカーあるいはデントとの完全なる対比によって描かれている。ジョーカーはバットマンと同じ闇の住人だけども志が正反対(D&D的に言うとローフル⇔カオティックの関係)、デントとバットマンは高潔な人格を持っている点は同じだけども、デントは「光の騎士」であり、日陰者のバットマンとは住む世界が違う。
バットマンはデントがいれば、ブルース・ウェインに戻ることができる。個人として幸福を得ることが出来る。しかしその幸福は結局ジョーカーがいなくてもデントによって(結果的にジョーカーによって)奪われる。バットマンバットマンをやめようとそれは変わらない。しかしデントはダークサイドに堕ちる。
一方でジョーカーはバットマンがいないと「ジョーカー」として生きていくことが出来ない。ジョーカーはバットマンの影だ。背中合わせの、(バットマンにとっては)忌まわしい存在だ。ユーコンプリートミー。
バットマンが最後に「ダークナイト」になったとき、「ビギンズ」でのレイチェルのセリフ「この顔こそが仮面、あなたの本当の顔はバットマン」というセリフが痛烈に思い出された。それまでは、仮面の下には暗闇だけでなく、まだ夢と希望があった。正当な手段によってもたらされるゴッサムシティの平和と、個人としての幸福というふたつの希望。しかしそれらは取り去られ、仮面の下には沈黙と怒りをはらんだ暗闇だけが残った。すべてを失ったバットマンには犯罪の象徴・ジョーカーだけが残った。なんという業!それでもパンドラの箱のように、人々の心には少しの美しさも残っていた(はっきり言って痛快さを感じるのここだけ)。


ヒース・レジャーの演技があまりにすごすぎて、でも他の作品見たことないから気になってウィキで調べたら私より若い人でびっくりした。ゲイリー・オールドマンと同年代くらいかと思ってた…。すごすぎるぜ。
クリスチャン・ベールもとてもよかった。ジョーカーに食われてたけど。
レイチェルの中の人はあんなに萌え顔だったのに数年でここまで劣化してしまうのかと驚いていたけど別人だということが分かった。失礼しました。
しかしこれ、大画面で見たかったなあ。

ターミネーター4

※※ネタバレ注意※※


3がダメダメだっただけに不安だったけど(T3を黒歴史にしない時点で)、クリスチャン・ベールが主役!!!!という大ニュースのおかげで劇場に見に行く気になった。
T3も映像や特撮やターミネーターの美しさは完璧だったのに、脚本と設定がダメダメだったせいでいまいちな出来になっていたと思うので、その点が改善されてればいいなと思いつつ見たけど、


その点は前回と同じでしたorz


脚本がひどすぎる。SFだろうがファンタジーだろうが時代劇だろうが、書かれるべきことは人間ドラマであるはずだ。上映時間が三時間になったって、ちゃんと人間ドラマをやるべきだったと思う。

ジョン・コナーは誰が相手であろうと「私はジョン・コナー!」と言えばすべてが罷り通ると思ってて、どんだけ偉いんだよお前は!と随所で突っ込みたくなるし、まるで水戸黄門指輪物語(原作)のアラゴルンみたいだった。「私はアラソルンの息子アラゴルン!これなる剣はナルシルのかけらを鍛え直したアンドゥリル!」と叫べば皆が従うみたいな…。そっくりだよお前ら。しかもジョン・コナーの場合、救世主だって自分で言ってるだけだよね。カイル・リースを救うのも「オレが生まれないと人類が困る!」って、どんだけ偉いんだよお前は!

マーカスのキャラももうちょっとちゃんと描いてくれれば、最後のシーンとか泣いて泣いて鼻水の海におぼれるくらいの勢いだと思うんだけど、周りが彼の特殊な設定を誰もつっこんでくれないばかりかつっこんでくれないまま映画が終わるので観客もどうやって同情したら良いのか分からない。カイルとスターだけはもうちょっとなんかあってもいいんじゃないかな…。ジョン・コナーも「撃ってゴメンネ」とか「心臓くれてありがとう」とか言えよ!!なんもなしかよ!!!結局相手は機械だし、撃って当然だしオレの役に立つのも当然、心臓もくれて当然だとみんなが思ってるのが非常に納得のいかないことだった。マーカスはあんなに「自分は人間!」とか言ってたのにそんなことは誰も(製作者含め)信じてくれず、機械として生き、機械として死んでいっただけのかわいそうなターミネーター

見所はかっこいいクリスチャン・ベールと数ショットだけ登場するシュワルツネッガーとモビルスーツ。CGは、いかにもILMな感じだけど特撮の方が多くて、CGくささをほとんど感じさせないすんごい映像だったと思います。アクションシーンはとっても楽しかった。